外構DIY

【初心者向け】大菊3本立ての年間スケジュール|キクの育て方解説

全国で品評会が行われているほど栽培人口の多いキク。

そんな菊をあなたも育ててみませんか。
ヒヤシンスやアサガオが育てられたあなたなら必ず咲かせることができます。

一緒に大輪の花を咲かせましょう!
今回は大菊3本立ての育て方を紹介します。

年間スケジュール

ざっくり菊の栽培での作業は以下の通りです。

ポイントさえ抑えればさほど難しくはなく初心者でも花を咲かせることができますよ。

4月・苗購入
・3号鉢に植え替え
追肥水やり
5月・摘心
6月・9号鉢に植え替え
7月・支柱立て
・土足し(缶抜き)
脇芽かき支柱
留め
8月・土足し(缶抜き)
・インバイド取り付け
9月・土足し(缶抜き)
10月・輪台取り付け
11月・開花

必要な資材についてはこちらでまとめています。

【初心者向け】キクの栽培に必要なもの解説|大菊3本立て 今回は3本立て大菊栽培に必要な資材についての解説です。初めて菊の栽培にチャレンジしようという方向けの記事になります。 菊栽培につ...

育て方

植え付け

4月下旬頃にホームセンターで苗を購入することができます。

どのホームセンターチェーンでも菊苗を扱ってないお店は無いほどです。

苗を選ぶ際は茎が太くて背の低いものを選びましょう。

背丈が30センチ以上のものは徒長(とちょう)といって発育不良ですので選ばないように。

品種や種類は限られますが,大菊の厚物と管物がそれぞれ3色はあることが多いです。

色は白・黄・赤系になります。

購入した苗を3号鉢に植え替えます。

初心者の方は3鉢程度から始めると良いでしょう。

植え替えた3号鉢に8分目まで培養土を入れてください。

鉢の上に2割ほど空間をを残すのは,「ウォータースペース」といって水やりの際にあふれてしまうのを防ぎ,水の浸透を十分にさせるという意味があります。

肥料は緩効性肥料10粒ほどをだいたい均等に入れてください。

植え替えたら,日当たりのいい場所で育てます。

毎日水やりをかかさずにしてください。

気温が上がってくる時期ですので水切れしやすいです。

菊栽培では,なめくじやバッタなどに芽を食べられないように地面からすこし距離を置くようにするとよいでしょう。

お手軽なのは,写真のように軽量ブロックの上に適当な木の板を置いて菊を育てる方法です。

摘心

5月下旬頃になると菊苗が10センチ以上に成長します。

この頃になったら,「摘心(てきしん)」を行います。

「摘心」とは菊の先端を欠く作業です。

なぜそんなことをするのか,かわいそうではないのか。

引用:http://daiko-zoen.blog.jp/archives/71131051.html

植物には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質があります。

放っておくと先端(頂芽)が成長して背を伸ばしていくという性質です。

それを意図的に崩してやることで,3方向に伸ばします。
3本立てを作る上で重要な作業です。

何日かすると,側芽が何本か伸びてきます。

様子を見て大きくなるのを見守ってください。

将来的に側芽は鉢を上から見た時に三角形になるように伸ばしたいので,ひとまず4本ほど側芽を残し様子を見ます。

水やりは土の表面が乾いてきたら適宜行ってください。

肥料がなくなっていたら足してりましょう。

植え替え

6月頃になったら菊を9号鉢に植え替えます。

3本立ての場合は菊用の9号鉢を使ってください。

菊用だと鉢底石も不要ですし,鉢に支柱を固定できるように側面に固定用の穴が開けてあります。
9号鉢はだいたいどこのホームセンターでも取り扱いがあるようです。

鉢上げの際に鉢にアルミ缶を3本差し込んでおきます。

これは,あとから缶抜いて土を足すことで新しい根っこを伸ばすスペースを確保するもくてきがあります。

肥料はアルミ缶の間に緩効性肥料を5粒づつ程度を3箇所にわけてやってください。

植え替えた直後の土は乾燥していますので,多めに水をあげます。

植え替えた時の最初の水やりを「初水(うぶみず)」と言います。

ウォータースペースにたっぷり水をはり,鉢底から水が抜けてくるぐらい水をやってください。

写真に写っている赤いキャップ状の装置は自動散水装置です。
この装置は必須ではありませんので,ホースやジョウロをつかって水やりを行なってください。

水は鉢の底から流れ出るぐらいが目安です。
表面が湿った程度では中まで水がはいっていませんので水やりは丁寧に行ってください。

支柱立て

植え替えてたタイミングもしくは1週間後ほどのタイミングで支柱を立てます。

これは伸び具合にもよるので育ち方次第です。

雨が続くと日照不足で早く伸びます。

植え替える時期より早く側芽が伸び始めた場合は早めに植え替えを行ってもいいかもしれません。

菊用の9号鉢は側面に穴が空いています。

これは大菊3本立て栽培用に,穴が開けられており支柱をビニールタイで固定するためのものです。

支柱をビニールタイで固定して,残した側芽から3本を選んで支柱に固定します。

支柱は菊用のLサイズを使います。

二重構造になってひっぱると伸びる構造の支柱です。
アルミ製と鋼鉄製とありますが,鋼鉄製は錆びるので長持ちするアルミ製がいいかな。

支柱に枝をくくりつける時に,鉢を上から見て三角形に枝が伸びていてくれるのが理想です。

4本程度残していた枝をここで3本に厳選します。

この時になると枝が太くて手で折るのは難しくなるので,剪定鋏があると便利です。

注意点として,支柱に固定する際に側芽がつけねから折れてしまうことがあります。

作業はきもち水切れ気味で行うと,枝にしなり作業性が良いでしょう。

逆に,雨の次の日などにすると枝がぱっつんぱっつんで裂けやすいです。

支柱と枝はビニールタイで固定します。

水やりと支柱

支柱立ての作業が終わった後は,7月上旬までは水をやりながら様子を見ます。

適宜,肥料がなくなったら足してあげてください。

枝も伸びましたら支柱にビニールタイで固定していきます。

缶抜き

7月中旬頃に鉢に入れた缶を1本抜いて土を足します。

その後,8月上旬にもう1本。

9月上旬に最後の1本を抜きます。

その間も水やりと追肥と支柱留めは欠かさず行います。

水やりを続けていると,土の中の空気が抜けてウォータースペースが広くなりすぎる場合はがあります。
土が減った場合は適宜足してください。
土の量が減ると根っこが陽に当たりすぎてしまったり,水を保持する能力が低下したりして成長の妨げになります。

脇芽かき

3本立てで育てていくと,3方向それぞれの枝からもいくつもの側芽が成長してきます。

その側芽は必要ありませんので,栄養が分散しないように欠いてください。

これを「脇芽かき」と言います。

ハサミなどは使わず,素手で折ってください。

この作業は水をしっかり吸った状態の方が作業性が良いです。

水切れ気味でしなっとした状態で脇芽かきをしてしまうと,真下の必要な葉っぱまで一緒に取れてしまうことがありますので注意が必要です。

品評会だと葉っぱが欠けてしまうと減点対象になります。
ただし、家庭で楽しむ分にはそこまで気にしなくてOK。

インバイド取り付け

3本立てが伸びてくるとそれぞれの支柱が不安定になります。

3本の支柱それぞれを繋いで固定する役割をするのがインバイドです。

おそらく取り付けは8月下旬頃になると思います。

取り付け位置はだいたい太ももから腰ぐらいの高さで構いません。

注意点として,インバイドは枝の頂芽より上にとりつけないでください。

先端に取り付けてしまうと成長の妨げになって枝が歪んで成長してしまう可能性があります。

必ず支柱と茎が通っている位置に取り付けます。

この頃の作業として,成長具合に合わせて伸縮支柱を適宜伸ばしながら枝をビニールタイで固定していってください。

花芽かき

9月中旬頃に花芽が形成され始めます。

3本立てのそれぞれ頂点に小さな花芽が数個つきますので,それぞれの茎で一番大きい花芽を残してその他をとってください。

この作業は花芽が小豆大になってからで結構です。

この作業を指で行うと,花芽が全て取れて今までの苦労が水の泡になってしまうことがあります。

竹串などを使って,丁寧に作業を行いましょう。

また,下記のような花芽は「鬼芽」といって綺麗な花になりません。

「鬼芽」

この場合は花芽を欠いて,その下の側芽から花芽が出るのを待ってそちらを咲かせるようにします。

写真では気が早く輪台をつけていますが,このあと「鬼芽」をとって輪台を取り外しています。

育成の途中で,葉っぱが黄色くなったり,茎が異常に伸びてしまったりなどした場合は生理不調の可能性があります。

水切れ,肥料切れ,日照不足のどれかを疑ってください。

輪台取り付け

10月上旬頃,蕾(つぼみ)が膨らみ始めたら支柱の先端に輪台を取り付けます。

支柱を蕾の真下にくるように調節して輪台を取り付けます。

支柱が調節式なのは,花の位置が個体によって異なるからなんです。

支柱と輪台は2ヶ所ビニールタイで固定します。

固定が1ヶ所だと成長した花弁の重さに耐えきれません。

この頃にアブラムシが大量に発生するようであれば農薬を使ってください。

花が咲いてからだと霧吹きで農薬が入って行きにくいので最後のチャンスです。

開花

10月下旬頃から開花します。

花弁が出てきたら雨に濡れないようにしてください。

雨に濡れなければ1ヶ月ほど花を楽しむことができます。

私は花が咲き始めた頃から2m x 2mの自立式テントをつかっています。

濡れると花弁がすぐに痛みますのでご注意ください。
花が咲く頃は肥料も水も大量に消費しますので,適宜調節しながら育てましょう。

開花しきったところで,鉢皿を敷いて玄関先など展示したい場所に飾ります。

鉢皿は水やり時に鉢から土が出て汚れないようにという役割です。

開花時は花が水を多く消費しますので水やりをお忘れなく。

水切れを起こすと花弁が外側から枯れてきてしまいます。

枯れた花弁は抜いてしまいましょう。

鉢の配置としては,背の高い鉢を後ろに。

背の低い鉢を前に置くと遠近感が出て良いです。

余った鉢や3本立てにならなかった鉢は切花にして室内に飾るのもいいでしょう。
室内に大菊はかなりインパクトがありますよ。

まとめ

ざっくりと大菊つくりについてまとめました。

コツを掴めば簡単です。

使う資材も入手性も良いです,何年も使いまわせます。

初心者でも簡単に菊づくりができますよ。

よかったらチャレンジしてみてください。

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